最終更新日 2024年1月26日

クロス集計とは?

クロス集計トップ画像

クロス集計とは、縦軸と横軸で特定の項目をかけ合わせて、結果を細分化する集計方法です。

例えば縦軸に商品名、横軸に1月、2月、3月と月を割り振ることで月ごとの商品売上を集計できます。

他にも縦軸に「政策を支持する/支持しない」と横軸に「女性/男性」を割り振ることで、性別ごとの支持率を集計することができます。

このように、クロス集計は複数の項目を統合して情報を把握することができるため、集計結果をより活用しやすくなります。

本記事では、単純集計との違いやクロス集計の種類、メリット、注意点のほか、無料でお使いいただけるクロス集計ツール3選や効果的な活用事例もご紹介いたします。

クロス集計と単純集計の違い

クロス集計に対して、単純集計とは一番基本となる集計方法で、項目をかけ合わせずにすべて集計したものです。

項目が一つであったり、掛け合わせる必要がない場合には単純集計が良いでしょう。

シンプルで見やすい単純集計と多角的にデータを分析できるクロス集計を使い分けると便利です。

単純集計の画像(表)

単純集計の画像(グラフ)

クロス集計の種類

クロス集計には3つの種類があります。例として、具体的な集計結果とグラフを挙げながら詳しく解説いたします。

属性クロス集計

回答者の性別や年齢などの属性と設問の回答をかけ合わせた集計が「属性クロス集計」です。

これにより、回答者の属性によってどのような傾向が見られるのか分析することができます。

具体例を挙げると、自社の商品の売上と購入者の性別・年齢をかけ合わせた結果、商品が20代男性に最も売れていることが分析できた場合、その商品が20代男性にニーズがあることを導き出すことができます。

属性クロス集計の画像(表)

属性クロス集計の画像(グラフ)

設問間クロス集計

「設問間クロス集計」は2つ以上の設問をかけ合わせることで分析する集計です。

属性クロス集計よりも複雑なデータ分析がされるため、設問同士がどのような相関関係があるのか慎重に見る必要があります。

具体例を挙げると、商品の購入頻度と満足度、平均睡眠時間と通勤にかかる時間、スマホの使用時間とサブスク登録率などが挙げられます。

設問間クロス集計の画像(表)

設問間クロス集計の画像(グラフ)

多重クロス集計

「多重クロス集計」とは項目を3つ以上かけ合わせて集計したものです。

例えば、性別×年代×設問の三重クロス集計や四重クロス集計で、具体的な顧客の属性設問の回答傾向を分析することができます。

項目が増えるごとに複雑な集計になるため、どのような分析をしたいのか決めてから項目を選ぶと良いでしょう。

多重クロス集計の画像(表)

多重クロス集計の画像(グラフ)

クロス集計のメリット

前項の活用方法からわかるように、クロス集計は結果が視覚的にわかりやすく、説得力を持つという特徴があります。簡易的なアンケートでも、結果を円グラフなどに表して提示することでビジネスの現場などにおいても有用な効果を発揮するでしょう。

また、GoogleのスプレッドシートやMicrosoftのExcelを利用すれば、ピポットテーブル機能によってほぼ自動的にクロス集計表を作成することができます。関数を用いた計算機能と併用して効率的に集計結果を資料とすることができる点もメリットと言えるでしょう。

クロス集計の効果的な活用方法

クロス集計のメリットは、様々な設問と回答者の属性をかけ合わせることで、集計結果を多角的な視点で傾向を分析することができる点です。

一つのアンケートから様々な情報を得ることができ、また比率で表すことで結果をわかりやすくまとめることができます。

そのため、顧客の購入傾向や満足度調査など、ビジネスにおいても商品開発マーケティングに活用することで詳細な分析結果が得られるため、顧客満足度の向上に活かすことができます。

クロス集計の注意点

項目を細分化しすぎないようにする

十分な回答数が集まっていない場合や項目を細分化しすぎてしまった場合、多重クロス集計を行うと項目に対する該当数が減るため、正確なデータとはいえなくなってしまいます。

また、項目が多いと集計結果の縦軸と横軸が複雑になり、伝わりにくい表やグラフになってしまいますので、項目は少ない方がより良いでしょう。

集計する目的をきちんと明文化させる

クロス集計では項目数を増やして細分化されたデータを得ることができますが、表やグラフを作成すると複雑になってしまって結果が伝わりにくくなってしまう場合があります。

複雑で分析しにくい集計にならないように、どのような目的で集計を行うのか改めて整理して、見やすくてわかりやすい集計にすることを意識しましょう。

目的に合わせてデータを収集する場所や媒体を選ぶ

集計方法を選ぶ際、インターネット上でもどのサイトで行うのか、新聞や雑誌など紙媒体でも行うのかによって回答者の属性に偏りが出ます。

収集する場所や媒体が限られていると年齢や性別、職業など共通の属性を持つ回答者が集まるため、クロス集計を行うと大幅な数値の差が生まれてしまう可能性があります。

また、データに偏りがあると、クロス集計をする前と後で相関関係が異なってしまう「シンプソンのパラドックス」と呼ばれるパラドックス現象が起きてしまうことがあります。

どのような回答者からのデータを得たいのか、集計の目的に合わせた場所や媒体を選んでデータの収集を行うことで、より精度の高いデータを得ることが出来るでしょう。

無料で使えるクロス集計ツール3選

ここで、無料でお使いいただけるクロス集計ツールを3つご紹介いたします。

オンライン スプレッドシート エディタ「Google Sheets」-Google

Google Sheetsのwebページ
(出所:Google Sheets公式Webサイト)

 

Google Sheetsは、Googleアカウントをお持ちの方であれば誰でも、オンライン上からならどこからでも、どのデバイスからでも、リアルタイムで安全に作成・編集・共有ができるスプレッドシートです。
オンライン上で簡単に共有できるので、共同編集やコメントの機能を駆使して、共有した全員が常に最新版のファイルにアクセスしながらスムーズで効率的な業務を可能にします。AppSheetというビジネスアプリを使用することで、コード要らずでプロセスの自動化を実現し、さらにワークフローを効率化することもできます。

  • スマートフィルや数式の候補をアシストする機能でミスを軽減
  • 他のGoogleアプリと連携しているので、Google SlidesやDocsにも転用可能
  • Microsoft Excel スプレッドシートを変換せずに簡単に編集できる

みんなが欲しかった表計算ソフト「Calc」-LibreOffice

Calcサイト
(出所:Calc公式Webサイト)

 

Calcは、初めての方にとっては直感的に使いやすく、プロフェッショナルな方にとってはデータ分析や数値計算に使う高度な充実した機能が高く評価されている表計算ソフトです。
テンプレートサイトからテンプレートをダウンロードすることで、表計算で実現したかったことを解決できるので、わかりやすく簡単にお使いいただけます。Microsoft Excel形式で保存したり開いたり、PDFで書き出したりすることも簡単にできるので、データをさまざまなデバイスやプラットフォームで送受信するのも便利です。

  • さまざまなテンプレートやセルの書式、関数が用意されている
  • 高度なピポットテーブル機能でクロス集計などに適したデータ変換が簡単
  • 表計算ファイルの共有で他のユーザーとの共同作業もできる

無料のExcelエディター「WPS Office Spreadsheet」-キングソフト

WPS Office Spreadsheetのwebサイト
(出所:WPS Office Spreadsheet公式Webサイト)

 

WPS Office Spreadsheetは、Microsoft Excelの代わりとしてWindows PCやMac、Android、iOSをはじめとしたさまざまなデバイスで利用できる、無料のソフトウェアです。
Microsoft Officeと完全な互換性があるため、シートの作成から編集、保存、共有が簡単で、複数のプラットフォームでExcelスプレッドシートを効率的に利用することができます。Excelによく似た設計のインターフェイスにより、表計算ソフトを使用したことのある人にとって、使い慣れた直感的で簡単な操作を実現しています。

  • 全17種類のファイル形式との互換性確保で、データの状態を保持できる
  • データを共有したユーザーとの共同編集の他に、別デバイス間での同期も可能
  • 10万種類を超える豊富で編集可能なテンプレート

クロス集計ツールを選ぶ時のポイント

前項では実際のクロス集計ツールをご紹介いたしましたが、ここでは、ツールを選ぶ際に決め手となるような、あったら便利な機能や重視すべきポイントについて詳しく解説します。

利便性が高いかどうか

当たり前のように思えるかもしれませんが、ネット環境さえあればどこからでもツールにアクセス可能であることは、業務の効率化という面から見ても重きを置くべきポイントであると言えます。無料で使えるツールの場合は一部機能の制限や同タイミングでの利用可能人数に上限がある可能性がありますので、事前に確認しておきましょう。

また、クロス集計が可能なツールの中でも、多くのオフィスで使用されているであろうGoogle スプレッドシートやExcelといったツールは普及率が高いため、操作方法を従業員に教えるためのプログラムを組んだりや人員を割いたりする必要性が低くなります。

クロス集計以外の集計・分析機能があるか

クロス集計をすることのできるツールには無料で提供されているものもいくつかあるのですが、クロス集計に特化したものから、他の集計・分析機能を搭載した高性能なものまで幅広く存在します。

具体的には、以下のような機能を搭載したツールがあります。

  • ・単純集計(GT)
  • ・グラフ作成
  • ・レポート出力
  • ・検定・多変量解析
  • ・アフターコーディング機能
  • ・ウェイトバック集計
  • ・ローデータ変換/出力 など

併用したい機能はあったでしょうか?上記のもの以外の機能が搭載されているツールもありますので、自社で必要している機能はどういったものか、ぜひ確認してみてください。

クロス集計を使った事例

クロス集計は、ビジネス分析において非常に有用であり、さまざまな場面で活用されています。以下に、クロス集計を使った事例をご紹介します。

小売業でのクロス集計の活用事例

ある小売業者では、新しい顧客層の獲得のためのプロモーションを考えており、特定の製品カテゴリーの売上データを分析し、クロス集計を用いて製品カテゴリーと顧客属性(性別、年齢、地域など)を組み合わせて分析しました。

その結果、特定の地域で若い女性が特定のカテゴリーの商品をより多く購入していることが明らかになり、この情報を元に、小売業者は該当地域でのマーケティングキャンペーンを強化し、特定の商品ラインに関連したプロモーションを展開しました。

プロモーションを行った結果、その地域の売上が増加し、特に若い女性向けの製品が好調となりました。クロス集計を用いたこの分析は、販売戦略の最適化に成功し、売上増加につながりました。

WEBサイト運営でのクロス集計の活用事例

あるWEBサイト運営者は、購買率の改善のため、WEBサイトの訪問者データを分析しました。まず、ユーザーの訪問履歴とその購買履歴をクロス集計して、特定のコンテンツが購買意欲にどのように影響するかを調査しました。

この分析により、特定のコンテンツページが訪問者の購買率を高めることが明らかになり、それを踏まえてコンテンツ戦略を最適化しました。

これらの事例からわかるように、クロス集計は異なる要因や変数間の関係を明らかにし、戦略的な意思決定をサポートするために幅広く活用されています。ビジネスにおいてデータ分析と戦略策定を結びつける最適な方法と言えます。

まとめ

クロス集計とは、2つ以上の項目をかけ合わせて集計結果をまとめるもので、多角的に回答の傾向を分析することができます。

研究はもちろん、ビジネスにも応用できる集計で、円グラフや帯グラフで表すことで見やすくてわかりやすい集計結果にまとめることができます。

また「どのような仮説を基に集計を行うのか」をきちんとまとめてから集計することで、活用しやすいクロス集計になるでしょう。

クロス集計まとめ画像

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