電子カルテとは?
電子カルテのシステムは大きく分けて2つあります。
1つ目のオンプレ型といわれる従来の電子カルテシステムは、院内にサーバーを設置することが主流とされていて、導入時のシステム構築や運用などの面でコスト・労力が大きいことから、ある程度規模の大きい病院でなければ導入は難しいと言われています。
2つ目のサーバーを設置する必要のないクラウド型の電子カルテは、外部にサーバーを設置するため初期費用などのコストを削減することができます。
このクラウド型の登場により、中小規模の病院やクリニックでも電子カルテの導入へのハードルが下がりつつあります。
この記事では、導入しやすいクラウド型電子カルテ導入を検討しているけれど、
「何をどうやって選べばいいかわからない」
「業種や規模に合ったシステムを使いたい」
という方向けにクラウド型電子カルテにするメリットや注意点、比較検討する際のチェックポイントを解説した上で、おすすめの電子カルテシステムをご紹介します。
電子カルテのメリット
クラウド型の電子カルテを導入するにあたり、大きく5つのメリットをご紹介します。
導入コストが低い
オンプレミス型の場合、院内にサーバーを設置してからネットワークを構築したり手間が発生します。
そのため、導入には高額なコストがかかりますし、運用開始までに時間もかかります。
クラウド型ならサーバーを外部に設置するため、最短一週間で導入できるシステムもあります。
初期費用が無料だったり、クラウドならではの無料デモ体験ができるサービスもあります。
院外でもアクセスが可能
オンプレミス型の場合、院内にサーバーを設置するため、電子カルテの利用も院内のみとなります。
クラウド型なら、インタ―ネット環境があればどこでも使用可能になるため、電子カルテを院外に簡単に持ち出すことが可能になります。
在宅医療の患者の往診や、出先時の緊急対応など、院外でも診療情報にアクセスすることができます。
また、オンプレミス型だと利用端末が限られているのに対し、クラウド型ならインターネット環境であればPC、スマホ、タブレットなどで院外の利用が可能です。
集客・予約システムと連携できる
紙のカルテやオンプレミス型の場合、集客・予約システムとカルテを連携できなかったり、顧客情報を予約システムや会計システムから別で吐き出してエクセルなどで管理しているなど、時間とコストがかかっている場合があります。
クラウド型ではネットを介してそれの外部サービスと容易に連携することが可能です。
また、予約から事前問診、会計、集客までの機能が備わっている電子カルテサービスもあります。電話対応や事務作業の削減にもなります。
バックアップによるサーバートラブル対策ができる
毎年のように起こる地震や水害などの自然災害への備えとして、クラウドサービスを選ぶケースも少なくありません。
紙のカルテや院内にサーバーがあるオンプレ型では、災害時に消失してしまう可能性もあるでしょう。
クラウド型の場合は、外部のサーバーでバックアップがされており、データの保護がされているため、院内での災害時にデータ消失するリスクはほとんどありません。
入力や転記をする際の人的ミスを防止できる
紙のカルテに手書きする場合、どうしても書き間違えや誤字・脱字、記入漏れが発生してしまいます。
電子カルテでは必須事項が記入されていない場合にアラート設定や、専門医に合わせた入力しやすいテンプレート作成など、さまざまな記入漏れを防ぐ機能が搭載されています。
また、PCやタブレットで打ち込むため読みづらい文字による読み間違いや物理的な汚れ・破損などの発生も無くすことができます。
電子カルテにするときの注意点
魅力の多いクラウド型電子カルテですが、注意点もいくつかあります。導入前にメリットだけではなく必ず注意点も把握しておきましょう。
インターネットに接続する必要がある
クラウド型電子カルテは、インターネットに接続して利用するシステムです。
インターネット環境がない場所では利用できないので、通信障害が起きている場合は使えなくなってしまいます。
また、電波の届かないエリアでの使用もできません。クラウド型の電子カルテを使用する際は安定したインターネット環境を用意しましょう。
月額費用が高くコストがかかる可能性がある
クラウド型電子カルテは、オンプレミス型の電子カルテに比べて導入コストが低い点が大きなメリットといえますが、
院外の業者サーバーを使用するため、毎月サービスの利用料金がかかり、月額費用が高くなる可能性があります。
どのタイプがコストを抑えられるかは医療機関によって変わりますので、導入前にシミュレーションして比較検討しましょう。
現行の業務フローを見直す必要がある
電子カルテを導入する前に、現状の業務フローに対してどのような工程において電子カルテを使用し、どのように業務フローを効率化できるのか事前に整理しておく必要があります。
現場で実際に電子カルテを運用していくスタッフにも業務フローの変更を周知して、電子カルテの利便性などを共有した上で業務フローをより良く改善しましょう。
電子カルテサービスを選ぶ際のポイント
前述したように、使いやすさやサポート体制については必ず導入前に確認しておきたいポイントです。そのほかどのような点に気をつけて製品を選べばいいか解説します。
取り入れたい機能の優先順位を決める
電子カルテサービスサイトを見ると、それぞれ料金や機能に特徴があり選定に悩む方は多いでしょう。
例えば、現在ではLINE公式からの予約が増えているため、LINE公式アカウントと連携できる機能がある電子カルテや、美容クリニック・自由診療クリニックに強化した電子カルテなど、その業界に特化した機能を取り入れている電子カルテもあります。
サポート体制が整っているソフトを選ぶ
電子カルテを導入する際、大規模な病院だと今までのカルテを電子カルテに移動させたり、連携したい機器を接続したり、スタッフへ電子カルテの使い方を周知したりと、導入にかなりの事前準備が必要になります。
その時にわからないこと・困ったことがあった際に、きちんとサポート体制が整えられている電子カルテを選ぶことで、導入がスムーズになるでしょう。
入力画面の見やすさや操作性を確認する
クラウド型電子カルテを導入するなら、入力画面の見やすさや操作性は必ず確認しておきましょう。
- ・患者の状態が一目でわかるなど、見やすいレイアウトか
- ・どこに何を入力すれば良いかが直感的に分かり簡単に入力ができる、シンプルな操作性か
- ・スマホやタブレットに対応しているか
自院にあった電子カルテを導入できるよう、トライアルなどを利用して使いやすさを確かめてみましょう。
レセコンなど他システムとの連携が可能か確認する
電子カルテは、レセコンや他医療機器と連携することで、予約受付から診療、会計までの一連の業務効率を上げることができます。
レセコン一体型、ORCA連動型プランなどがありますが、既存のレセプトソフトなどの他システムがある場合は連携可能であるかを確認しましょう。
おすすめのクラウド型電子カルテ7選
クラウド型電子カルテをお探しの方へおすすめの電子カルテ7選をご紹介します。
自院でどのような電子カルテを導入したいか、どんなサービスがほしいかなどを検討のうえ、自社にあうものを導入しましょう。
medicalforce(メディカルフォース)

メディカルフォースは、美容クリニック・自由診療クリニックの業務・経営全てを管理するクラウド型電子カルテ。
電子カルテの機能以外にも予約、会計など様々な機能が連動することで顧客情報を蓄積し、可視化することが可能。また、来院リマインドやクーポン配信などができるCRM機能もついているため、リピートUPを狙える。
初回費用 | 月額費用 |
要問合せ | 要問合せ |
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レセコン | 推奨規模 |
独自の会計処理機能が搭載 | 自由診療専門 |
無料トライアル | 動作環境 |
実際の画面を見ながら操作フローを紹介するデモ案内/無料で使用できる専用アカウントを付与 | インターネットに接続できるパソコン、タブレット |
- WEB予約・問診・在宅・オンライン診療全て追加料金なし!→無料
- 新規開業の場合、最短1週間で利用が可能
- 電話やメールでのサポートやアップデートの費用が無料
リピクル

リピクルは株式会社ケアクルが運営する電子カルテ。治療家・セラピスト・トレーナーが監修しており顧客管理・予約管理・カルテ・問診・分析など、店舗と訪問型ビジネスの運用を最適化する機能が満載。
オンライン問診票の機能により、予約10分前の来院が不要。また、事前に問診票の確認が可能になったことでカウンセリングの進行がスムーズに。
鍼灸院、接骨院、整骨院、リラクゼーションサロンなど、紙カルテの管理や業務効率化に課題を感じている小規模クリニックにはおすすめ。
初期費用 | 基本料金 |
要問合せ | 要問合せ |
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レセコン | 推奨規模 |
– | 店舗・治療院 |
無料トライアル | 動作環境 |
要問合せ | 要問合せ |
- お客様の口コミやレビューを簡単に集められ、MEO対策(地図エンジン最適化)につながる顧客管理
- スマートフォン、タブレット、PC、などブラウザのどこからでもアクセス可能
- 治療家・セラピスト・トレーナーが監修しているので、どんな人でもカンタンで使いやすい管理画面
CLIUS(クリアス)

CLIUS(クリアス)は、バックオフィス支援サービス「ジョブカン」を手掛けている株式会社DONUTSが提供しているクラウド型電子カルテ。
ジョブカンの勤怠管理をはじめとするサービスも利用することで院内のシフト管理、労働時間の遵守に役立つ。「見やすいカルテ」を徹底追及しているため診療効率がアップ。
連携実績はトップクラスで60社・120種類の機器と連携ができるのでスムーズに導入が可能。
初期費用 | 基本料金 |
200,000円~ | 12,000円~ |
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レセコン | 推奨規模 |
ORCA連動型 | 無床クリニック・診療所 |
無料トライアル | 動作環境 |
31日間トライアル※実際の患者データを登録することは不可 | Windows・Mac・iPadで利用可能 |
- 業界トップの連携実績により既存のシステムや機器とスムーズに連携が可能
- 勤怠・労務管理ができる「ジョブカン」を利用することで院内の働き方改革にも対応
- 「小児用量換算表」を機能化した薬用量機能が基本料金内で利用できる
きりんカルテ

きりんカルテは、日レセクラウド(クラウド型ORCA)と連携する電子カルテ。レセコンの導入費用と月額利用料がかかるが、きりんカルテ自体のシステム利用料は無料。
今までレセコンを利用していなかった方が紙カルテからの切り替えで業務効率をアップしたいときにおすすめ。
直感的に操作できるシンプルで使いやすいUIを設計・開発がされているためパソコンが苦手な方にも導入しやすい。
初期費用 | 基本料金 |
330000円(レセコン導入費用) | 25,300円~(レセコン利用料) |
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レセコン | 推奨規模 |
ORCA連動型 | 無床クリニック・診療所 |
無料トライアル | 動作環境 |
Web上で画面越しデモンストレーション | PC:Windows、Mac iPad:OS14~15(iPad Pro/iPad Air/iPad) ブラウザ:Google Chrome |
- システム利用料が無料で追加費用なく豊富な機能が標準搭載
- 自由診療と保険診療のカルテを分けて登録・作成が可能
- 「往診スケジュール作成」や「事前オーダー入力」など在宅医療に特化した機能も充実
CLINICSカルテ

CLINICSカルテは、Web予約・Web問診・オンライン診療・キャッシュレス決済をすべて一元管理し、一貫性のある操作性が特徴のクラウド型電子カルテ。
ORCA(日医標準レセプトソフト)を完全内包しているためレセプトソフトを別途操作する必要がなく、受付・会計業務の負担を大幅に軽減。
オンラインでのサポートだけでなく必要に応じて全国どこでも往訪サポートが受けられるため、電子カルテの導入に不安がある方におすすめ。
初期費用 | 基本料金 |
600,000円~ | 40,000円~ |
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レセコン | 推奨規模 |
レセプト内包型 | 無床クリニック・診療所 |
無料トライアル | 動作環境 |
Web面談形式オンラインデモ/画面や操作感を実際に体験できるショールーム | Windows、Mac搭載のパソコンブラウザ:Google Chrome |
- NTTドコモが共同運営する患者向けアプリ「CLINICS」との連携により患者とのつながりが強化
- 患者情報・傷病名など診療に関わる網羅的なデータを多様な分析軸で抽出しクリニック運営を支援
- SSL暗号化通信+証明書認証により安心のセキュリティを実現
Medicom-HRf

Medicom-HRfは、40年以上医療のIT化に携わってきた実績のあるPHC株式会社が提供している、カルテとレセプトを一元管理する医事一体型電子カルテ。
問診システム、予約・再来受付システムなど約170社の様々な機器との連携することが可能。
カルテとレセプトが一体化しているため、レセプトのチェック中にエラーが発生した場合、該当のカルテを直ぐに修正出来るため業務効率がアップ。
初期費用 | 基本料金 |
要問合せ | 要問合せ |
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レセコン | 推奨規模 |
医事一体型 | 一般診療所向け |
無料トライアル | 動作環境 |
オンラインデモ | 要問合せ |
- 問診システムや受付システム、検査機器など約170社の様々な機器との連携可能
- 全国約120拠点の網羅性の高いサポート体制とリモートサポート
- 40年以上の実績によるノウハウと高い信頼性
セコム・ユビキタス電子カルテ

セコム・ユビキタス電子カルテは、警備サービス会社であるセコムグループのITセキュリティ技術が搭載された無床~中小規模病院向けクラウド型電子カルテシステム。
セコムが運営する災害対策の整ったデータセンターで患者や情報を管理するため安全・安心なセキュリティ体制が整備されている。
複数の医療機関を経営されている医療法人内でも統一患者IDを付与することで施設間のカルテ共有が可能。データの集中管理に活用できる。
初期費用 | 基本料金 |
要問合せ | 要問合せ |
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レセコン | 推奨規模 |
ORCA/ML-A | 在宅・無床~中小規模病院向け |
無料トライアル | 動作環境 |
要問合せ | WindowsPC、iPhone・iPad、Internet Explorer |
- セキュリティ会社による堅牢なデータ保管と安全性の高いインターネット回線を確保
- 透析支援システムやリハビリシステムなど部門システムとの連携も充実
- 患者への統一IDの付与により複数施設間でのカルテの共有が可能
まとめ
本記事では、クラウド型の電子カルテについてメリットや注意点を踏まえた上で、おすすめの電子カルテシステムをご紹介いたしました。
クラウド型電子カルテには患者さんのカルテの管理だけでなく、予約システムや院内の業務管理など幅広い機能が備わっています。
そのため、自院でどのように電子カルテを運用していくのか、また既存のシステムや機器に対して導入がスムーズに行えるのか、改めて比較検討してからシステムの選定を行うと良いでしょう。
電子カルテを簡単に導入するならスマートゲートのBPO!
「スマートゲートのBPO」では、高解像度のスキャンによるカルテ・レントゲンの電子化サービスを行っております。
e-文書法に則って取り込んだカルテを原本として扱うことができ、また検索システムの構築も同時におこなうことが可能です。
院外に持ち出せない患者様の紙カルテのスキャンもスキャナー機材を出張で持ち込み、外部漏洩の心配がないように対応いたしますので、お気軽にご相談下さい。
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