自炊とは?

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自炊とは、本来自分の食事を自ら調理することを指しますが、現在では「自ら所有する書籍をスキャナーなどを使用して電子化する行為」も指します。

コロナ禍の外出自粛やIT化の推進によって電子書籍が普及するようになり、今まで紙媒体で保管していた書籍をパソコンやスマートフォンで持ち運びができる電子版に移行したいと考える方は多く、自炊を検討している方もいるでしょう。

本記事では、自炊についてメリットや注意点、代行業者に依頼する際の著作権問題を解説いたします。

自炊代行とは?

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自炊代行とは、自分が所有する書籍の電子化を代行業者に依頼することです。大量の書籍を1ページずつスキャナーにかけることは膨大な時間と手間がかかり、スキャナーも高精度なものでなければうまくスキャンできない場合があります。

そこで、代行業者に頼むことで高品質なデータを手間なく迅速に作成してもらう「自炊代行サービス」が展開されるようになりました。

しかしながら、自分で自炊を行う場合とは違い、自炊代行には著作権問題が絡んでおり、実際に裁判になったケースもあるため、推奨されていません。

ただし、平成30年の法改正にて、情報解析や教育目的での電子化は認められるようになりました。後述にて詳しく解説いたします。

書籍の電子化(自炊)のメリット

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書籍の電子化(自炊)を行うことで、どのようなメリットがあるのか、ご紹介いたします。

保管場所を取らない

書籍の電子化(自炊)を行うことで、紙媒体の書籍の保管場所が必要なくなります。

書斎用の部屋やトランクルームの契約をしていた方にとってはコスト削減になり、引っ越しが多い方にとっても、引越費用や荷物をまとめる手間を省くことができます。

また持ち運びがしやすくなるため、いつでも自分が所有している本を読むことができるようになります。

OCR処理によりキーワード検索ができる

単にPDFにするだけでなく、全文検索ができるようにOCR(光学文字認識機能)処理を行うことにより、単語検索ができるようになります。

読みたい台詞の箇所や特定の単語が使われている箇所を検索したいときに、OCR処理をしておくことで便利になります。

ただし、個人で「透明テキスト付きPDF」や「サーチャブルPDF」といったOCR処理を施したPDFを作成するには、かなりの手間がかかる場合や、OCRの精度によっては正しく文字検索ができない場合があるので注意が必要です。

書籍の電子化(自炊)の注意点

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書籍の電子化(自炊)を行う際、どのような点に注意しなければならないのか、ご紹介いたします。

本を裁断しなければならない場合がある

書籍を電子化するためには1ページずつスキャンする必要がありますが、大きく開いたとしてもノド側にスキャナーが当てられない箇所が生じます。

特に漫画の場合は見開きページが多いため、図やイラストにズレが生じたり、うまくスキャンできず影ができたりしてしまうでしょう。

そのため本を裁断する必要があり、貴重な本の場合や紙媒体でも保管したい場合など、本を傷つけたくない方には難しいです。

書籍の汚れや傷みがそのまま反映される

古書や書き込みのある書籍の場合、書籍自体にある黄ばみや汚れはスキャンを行うとそのまま反映されます。

画像編集ソフトで修正を行うことは可能ですが、1ページずつ手間を加えることになるため、かなりの時間がかかるでしょう。

自炊代行の著作権問題について

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著作権法上では、著作者のみに著作物の複製を認められられています。また例外として、自分や家族が読む目的で書籍をスキャンして保管する「自炊」は、私的利用の範囲内となるため著作権法違反とはなりません。

しかし、自炊を代行業者に依頼すると、著作権の問題が絡むことになります。具体的にどのような問題が発生するのか解説します。

自炊代行は著作権法に触れる

著作物の複製に関連する法律では、以下の通りに規定しています。

  • ・第21条 複製権 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
  • ・第30条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。(以下略)

つまり、「自炊」は著作権法第30条に規定されていように複製が認められていますが、「自炊代行」は自炊を行いたい顧客への提供が目的であり、代行業者が主体となって複製を行うため、代行業者が著作権法違反として訴えられる可能性があります。

実際に2011年12月には、有名作者らが連名で悪質と思われた代行業者2社の複製行為差し止めの訴えを提起し、裁判の結果、知財高裁は著作権侵害を認め、業者に複製行為の差止めと損害賠償が命じられました。

以上のことから、「自炊」は私的利用の範囲内であれば法に違反しませんが、著作者の権利保護のためにも、代行業者に依頼する「自炊代行」は推奨されません。

平成30年の著作権法改正の影響

平成30年、政府はデジタル化・ネットワーク化の進展に対応するべく、著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため、著作権法の一部を改正しました。改正項目は以下の4つです。

  • (1)デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備
  • (2)教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備
  • (3)障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備
  • (4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等

この改正により、著作物の所在検索サービスや批評や論文の剽窃検査などの情報解析サービスといった著作権者の利益を不当に害しない「軽微利用」といえる範囲で、著作物の利用が可能となりました。

また教育現場においても、それまで対面授業や遠隔授業での著作物配布は認められていましたが、今回の改正によりオンデマンド授業や電子メールでの著作物配布についても、一部補償金の支払いが必要であるものの広く利用できるようになりました。

このように法改正の影響により、細かな制限はあるものの、情報解析や教育目的での著作物の利用は許諾されています。

まとめ

自分で書籍の電子化を行う「自炊」は、自分や家族が利用する私的利用の範囲内であるため、著作権法に違反しません。

しかしながら、代行業者に依頼する「自炊代行」は代行業者が主体となって著作物を複製するため私的利用の範囲を超えており、推奨される行為ではありません。

書籍の電子化は多くのメリットがあり、デジタル社会において必要不可欠な存在となってきています。

スキャナーやカメラの技術が発達し、だれでも複写や複製が簡単にできるようになった現代だからこそ、著作者の権利をきちんと理解しておく必要があるでしょう。

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「スマートゲートのBPO」では、書籍の電子化を検討している方へおすすめのサービスをご提供しています。

弊社では紙媒体の書籍のスキャニングテキスト化を行っております。スキャンやテキストでデータ化した書籍を電子書籍(epub形式)に行うサービスも提供しております。

ただし、自炊代行サービスではございませんので、市販の出版物の電子化はお断りさせていただいております。

あくまで、著作者ご本人様の書籍や社内誌、記念誌の社内保管、情報解析や教育目的など、著作権に違反しない範囲で電子化を行っておりますので、安心してご利用ください。

他にも名刺や名簿、はがきのデータ化など、DX化の推進を支援するサービスが多数ございますので、ぜひご検討ください。