最終更新日 2024年4月9日

歯科向けのおすすめ電子カルテとは?

歯科では、他の医療機関と比べてレントゲン画像をはじめとした写真を取り扱うことが多く、また、しばしば患者様と相談を交えながら治療内容を決めていくため、診療の最中にもデータの管理上でも利便性の高い機能を持つ電子カルテが必要とされます。

そのため、電子カルテ普及率の高い中小規模の病院やクリニックなどといった、他の医療機関・別の診療科で電子カルテを導入する際とは確認しておくべきポイントが異なり、

歯科向けの電子カルテで使える機能にはどういったものがあるかわからない

自院の規模・形態・予算に見合った電子カルテを選ぶポイントを知りたい

とお考えの方がいらっしゃると思います。

そこで、本記事では業種や規模に合わせて選ぶコツ、メリットや注意点を解説し、比較検討に役立つチェックポイントとおすすめ電子カルテもご紹介しております。診療の質向上や自院の業務効率化にお役立てください。

歯科向け電子カルテのタイプ

歯科向けの電子カルテは、大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴をご紹介しますので、自院に適したタイプの電子カルテはどれか確認してみましょう。

歯科業務サポート型

歯科業務サポート型は、言い換えると歯科業務すべてに対応できる型と言えます。カルテの作成はもちろん、予約の受付からレセプトの出力に至るまで、歯科を運営するにあたって必要な幅広い機能を搭載したタイプの電子カルテです。

メーカーによってサポートする業務範囲が少しずつ異なり、歯科問診・医療面接支援機能を搭載したものもあれば、Web問診やキャッシュレス決済などといったオンラインの診療に特化したプラスアルファの機能を搭載したものもあります。

レセコン一体型

レセコンとは、健康保険組合などといった支払機関に対して、医療施設側が診療報酬を請求するために用いる「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するコンピューターシステムのことを指します。

そのためレセコン一体型とは、電子カルテの作成からレセプト出力までの工程が一本化して、受付から診察、会計までを一元管理できるシステムになります。

電子カルテ特化型

文字通り、電子カルテの機能に特化したタイプの電子カルテです。ものによっては、歯科技工士に対する指示書作成に対応したシステムがあったり、画像編集や分割支払いの計画作成などといった矯正歯科クリニックにとって充実した機能があったりします。

自院が専門とする業務により特化した機能を持つシステムを選ぶことで、スムーズで効率的な業務進行を期待できます。

歯科向け電子カルテを選ぶ際の4つのポイント

ここまでで、自院に適した電子カルテがどういったものか、掴めてきたのではないでしょうか。以下では電子カルテを選ぶ際の5つのチェックポイントをご紹介します。自院で欠かせない機能は何か、精査していきましょう。

クラウドへの対応

歯科向けの電子カルテでは、今まで院内にサーバーを設置する「オンプレ型」が主流でしたが、最近は「クラウド型」の電子カルテが普及し始めています。

「オンプレ型」は拡張性に優れていますが初期費用が高額な場合が多いため、ある程度の規模がある病院でなければ導入が難しいです。そのため、開業医や小規模の歯科医院の場合はインターネットに接続さえしていればどこにでもサーバーを設置できて、かつ初期費用などのコストを削減できるクラウド型がおすすめです。

クラウド対応の電子カルテであれば、災害や事故の発生によりデータを損失する事態を避けることができます。それ以外の有事の際も、バックアップの保管があればデータの復旧が可能で、セキュリティの面からも物理的な流出や盗難を防ぐことができます。

訪問診療や自由診療への対応

自院で訪問診療や自由診療を行っているかどうかは、電子カルテ選びにおいて重要であると言えます。高齢患者への訪問診療を行う場合は、訪問先でのカルテ情報の確認や診療後の情報入力が欠かせません。

訪問先の患者が介護認定を受けている場合、訪問治療は「居宅療養管理指導」という居宅介護サービスに該当するため、介護保険のレセプト作成に対応しているものを選ぶと良いでしょう。

また、歯科では矯正治療やインプラント治療、ホワイトニングなどといった自由診療を扱う場合があります。自由診療を主に取り扱うクリニックでは、対応している電子カルテを導入することで会計業務にかかるスタッフの負担軽減が期待できます。

描画機能の有無

歯科では口腔のレントゲン撮影やCT撮影をすることが多いため、手術や記録に際して他スタッフとも共有しやすいように、図やコメントを簡単に記入できる描画機能がある電子カルテを選ぶと良いでしょう。

また院内スタッフへの共有だけでなく、カルテに描画しながらわかりやすく説明することによって、患者の理解度の深まりが期待できます。中には、インフォームドコンセントをサポートするためのプレゼン機能を搭載した電子カルテも存在します。

トラブルがあった際のサポート対応

電子カルテの導入にあたってはメーカーのサポート体制も大事な要素であると言えます。患者の身体に関わる個人情報を取り扱う医療機関であるため、災害や事故の発生によるデータの損失や、インターネットセキュリティの不備による情報漏洩は避けなくてはなりません。

そのため、トラブル発生時には自動的にすぐさまメーカーに情報が通達されるようになっているか、発生時の対応はリアルタイムにサポートをしてくれるかどうかなど、サポート対応の有無によく目を通しておいた方が良いでしょう。

他システムとの連携

カルテとしての機能以外にも、Web問診システムなどの他システムとの連携ができると業務の効率化につながるため、対応できる患者数の増加が期待できます。

特に、初診患者が記入する問診票が紙のままだと、システムへ手入力し直したり、スキャナーで読み込んだりする作業が必要となってしまい、電子カルテの利用がかえって手間を増やしてしまうことになります。

そこで、電子カルテの機能と連動したオンラインの問診票が用意されているシステムや、Web問診に対応しているシステムを導入することで、患者が入力した情報をそのままデータとして取り込み、効率的な問診票の登録・管理ができるようになります。

 

【歯科業務サポート型】おすすめの歯科向け電子カルテ

Dentis

Dentisのwebページ
(出所:Dentis公式Webサイト)

 

Dentisは、株式会社メドレーが提供しているクラウド型の歯科業務支援システム。レセコンや電子カルテといった基幹システムに加えて、患者の医療体験を向上させるWeb予約、オンライン診療、キャッシュレス決済、リコールといったかかりつけ支援機能をトータルで提供することで、業務効率化と患者とのつながり強化の双方を支援している。
クラウド型なので設置場所を気にすることなく導入でき、院内での共有もスムーズに行うことができる。

初期費用月額費用
500,000円35,000円
提供形態動作環境
クラウドWindows、Mac搭載のパソコン、最新のiPad
ネットワーク環境/最低実効速度2Mbps以上
  • P検(歯周病検査)やSOAPなどの入力補助機能も充実
  • 予約・問診・リコールもWeb対応
  • タブレットでも操作しやすい画面構成

Opt.One3

Opt.One3webサイト
(出所:Opt.One3公式Webサイト)

 

Opt.One3は株式会社 オプテックが提供している歯科専門電子カルテ。SOAP式入力でカルテを入力でき、患者への対話をQ&A形式で簡単に入力することができる。インフォームドコンセントの支援を目的として、患者にもわかりやすい薬や治療に関する自動文書作成機能を搭載。
飲み合わせに禁忌があると、カルテに「薬剤情報・相互作用」が表示されるヒヤリ・ハット防止機能も備えている。

初期費用基本料金
1,900,000円~28,600円~
提供形態動作環境
オンプレミスOS/Windows10 Pro 64bit、Windows11
メモリ/8GB 以上
プロセッサ/Core i3以上(Core i7以上を推奨)
  • 併用禁忌チェックでヒヤリ・ハットを防止
  • オンライン返戻再請求ファイルの作成に対応
  • 患者説明資料の自動作成機能搭載

HiDentalSpiritXR-10i

HiDentalSpiritXR-10iのwebサイト
(出所:HiDentalSpiritXR-10i公式Webサイト)

 

HiDentalSpiritXR-10iは、東和ハイシステム株式会社が提供している受付・診療・会計・予約までの業務フローをワンストップで行える歯科向け電子カルテ。
受付院内管理画面では来院状況と、来院中の患者の状況をリアルタイムで確認することができ、診察室と受付の情報共有も瞬時に行うことができる。 カルテ入力では、医院にあった治療の流れをきめ細かなカスタマイズで組み込むことができるため、スムーズに導入することが可能。

初期費用基本料金
要問合せ要問合せ
提供形態動作環境
オンプレミス要問合せ
  • 導入前に医院にあった独自のカスタマイズで最適化
  • 訪問診療入力ガイド搭載
  • 院内の患者の状況も管理

ジュレア

ジュレアのwebページ
(出所:ジュレア公式Webサイト)

 

ジュレアは、月額制で契約期間に縛られず、コストの削減や事務作業の軽減を実現することで歯科医を自由にすることができる、いつでもどこでも利用可能なクラウド型歯科レセコン&予約管理システム。
1人あたり10秒ほどで完了するカルテ記入でストレスフリーな診療が実現し、自宅からちょっとしたカルテチェックや売上確認もすることができ、場所や時間を選ばない使いやすさを保持。

初期費用月額費用
0円25,300円
提供形態動作環境
クラウドWindows、Windows 8.1/10(Edge以外のブラウザ)、Mac 10.10以上
  • 台数制限なし、バージョンアップにも追加料金は不要
  • 自動化されたバックアップでパソコン等機器の故障にも対策済
  • 予約機能に特化した患者へのサポートも充実

【レセコン一体型】おすすめの歯科向け電子カルテ

TDM-maxV

TDM-maxVのwebサイト
(出所:TDM-maxV公式Webサイト)

 

TDM-maxVは、OEC株式会社が提供している多機能歯科電子カルテ。
カルテ画面に手書き感覚でコメントまで入力できるため、1画面内で部位、処置入力が可能。SOAP入力対応で、患者への情報共有もスムーズに行える。 領収証や明細書の発行だけでなく、歯磨き粉や歯ブラシなどの消耗品の販売状況や処方薬の発行もできる。

初期費用基本料金
要問合せ要問合せ
提供形態動作環境
オンプレミスOS/Microsoft Windows 10
CPU/インテルCore i3 以上
メモリ/8GB以上推奨
  • オンライン資格確認標準対応
  • 手書きカルテの様な入力画面
  • 簡単に診療データを移行可能

WiseStaff

WiseStaffのwebサイト
(出所:WiseStaff公式Webサイト)

 

WiseStaffは、株式会社ノーザが提供している歯科電子カルテ搭載システム。
領収証、明細書、患者提供文書、処方箋など、会計時に患者様に渡す書面が一括で印刷できるので、渡し忘れなどのうっかりミスを防ぐ。 特別な症例で基本点数がない場合も、入力中、請求時のダブルチェックでレセプト作成をサポートする。安全性を重視したNTTデータの「@OnDemand接続サービス」を採用しており、オンライン請求が行えるので、患者の希望に合わせた請求方法ができる。

初期費用基本料金
要問合せ要問合せ
提供形態動作環境
オンプレミス要問合せ
  • iPad用の問診票アプリケーションを標準搭載
  • 140種以上の豊富なシェーマを用意
  • 文書や画像など治療に必要な情報を一目で確認できる

電子カルテシステムWith

電子カルテシステムWithのwebページ
(出所:電子カルテシステムWith公式Webサイト)

 

電子カルテシステムWithは、「正しいカルテ記載」を徹底的にフォローすることで、返戻や診療後の指導に特化した「正しいレセプト作成」へと導くことを追究した、歯科のための電子カルテ。
地域の医療機関や介護施設との連携、訪問歯科にも対応することのできる電子カルテが必要とされるようになる「これからの歯科医院」を見据えて、地域に根差した安心感と医療安全に寄与する仕組みを構築。

初期費用月額費用
要問合せ要問合せ
提供形態動作環境
クラウド要問合せ
  • 医療面接で得た情報はすぐにSOAP記載
  • 月初の資格確認業務を省力化
  • 薬剤情報の検索もスピーディー

【電子カルテ特化型】おすすめの歯科向け電子カルテ

Oassis

Oassiswebサイト
(出所:Oassis公式Webサイト)

 

Oassisは、株式会社Brickbergが提供している矯正歯科の業務に特化した自費診療用の電子カルテ。
矯正歯科で必要なIPRや技工物の情報管理機能を搭載。 自費診療での領収書や見積書の発行、分割払い計画作成などが可能。電子カルテ内でアップした画像編集ができ、経過の比較もスムーズに行える。

初期費用基本料金
150,000円要問合せ
提供形態動作環境
クラウド要問合せ
  • 視覚的にできるエラスティックの入力操作
  • 定型文のクリックで手書きよりも圧倒的に早く入力
  • 写真・ファイルの整理・編集が可能

b-align

b-alignのwebページ
(出所:b-align公式Webサイト)

 

b-alignは、現役の矯正歯科臨床医がシステムを開発し、歯科医師や歯科衛生士が患者と向き合える時間を増やすことで、より良い患者体験を作り出せるようサポートされている、矯正歯科電子カルテ。
手書きで直感的な電子カルテへの書き込みや、タブレットで直接口腔内を撮影・管理できる機能など、歯科医の利便性に特化している。

初期費用月額費用
330,000円33,000円
提供形態動作環境
クラウド最新版のGoogle Chrome Windows/Mac PC/iPad ネットワーク環境/最低実効速度2Mbps以上
  • 予約や会計の管理、オンライン問診票でスタッフの手間が軽減
  • 大型法人でもフリーランスでも利用しやすい複数クリニック管理機能
  • 大手歯科技工所とも連携した「技工指示書管理」も可能

まとめ

本記事では、歯科向け電子カルテについてタイプの違いから選ぶ際のポイント、おすすめの歯科向け電子カルテをご紹介いたしました。

歯科向けの電子カルテでは、描画機能の有無と自由診療への対応の有無が特に重視されます。前述したように、実際に導入する際はデモなどの使用を経て、患者様への説明のわかりやすさを第一に、各クリニックや病院の規模や形態に適した電子カルテを選ぶと良いでしょう。

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