顧客管理ソフトとは?
顧客管理ソフトとは顧客管理(CRM)を行うソフトで、取引している顧客の個人情報や購入回数、購入内容などの情報を一括管理します。
また顧客の情報管理だけでなく、情報を元にした分析結果やメール配信機能、営業フローの管理などの様々な機能が搭載されており、既存顧客へのアプローチや営業戦略の立案に役立てることができます。
本記事では、顧客管理ソフトについてメリット・デメリット、選び方のポイントを踏まえた上で、おすすめのソフト8つを比較しながらご紹介いたします。
ぜひ、ソフトの選定の際にご参考ください。
CRM、SFA、MAの違い
CRMとは?
CRM(Customer Relationship Management)とは広義では顧客との関係を管理することを意味します。これまで商品やサービスを利用してくれた顧客一人ひとりに、それぞれのニーズに合わせた最適なアプローチをすることで良好な関係を構築、維持が可能になることを表しています。
しかしながら、顧客が増えていくと情報を管理することが難しくなり、商談の機会損失も考えられます。CRMをツールで情報管理を自動化や簡略化することで企業の負担を減らすだけでなく、顧客満足度の向上が期待できます。これが顧客管理ソフトであり、狭義では「CRM」を顧客管理ソフト自体を指している場合があります。
SFA、MAとの違い
似たような用語として「SFA」と「MA」がありますが、これらはそれぞれ目的や用途に違いがあります。
SFA(Sales Force Automation)は営業支援ソフトとも呼ばれる営業活動をサポートするソフトです。営業ステータスの管理や売上予測など属人化しやすい営業業務を見える化することで、受注率向上を促します。
MA(Marketing Automation)はマーケティング活動の自動化を行うもので、見込み顧客の獲得やより受注率の高い顧客層の分析などを支援します。
このように、既存顧客との良好な関係構築を促す「CRM」に対して、見込み顧客の顧客化を支援する「SFA」、見込み顧客の獲得を支援する「MA」と区別されます。
現在では、見込み顧客を受注後も管理するCRMとSFAの機能を兼ね備えたソフトやメール配信機能、顧客との契約書の管理、アンケート機能など様々な機能が搭載された顧客管理ソフトが展開されています。
顧客管理ソフトを導入するメリット
スピーディーに戦略立案ができる
顧客管理ソフトを導入すると、ソフトに接続できる端末があれば常に顧客情報を検索・閲覧することができます。また、情報更新も場所を問わず行うことができるため最新のデータベースに保てます。
これにより情報共有が素早く行えるので、現場の状況をリアルタイムで把握した上で最適な営業戦略を立てることができます。
顧客へのアプローチはスピードによって商談成功率が変化しますので、より効果的な営業活動が行えるでしょう。
他部署との連携がスムーズにできる
顧客の情報を一つのデータベースで管理することにより、他部署に散らばっていた情報を集約することができます。
そのため部署間での情報共有が効率的に行えるようになり、顧客に最適な対応をすることができるようになるため、営業機会の拡大が期待できます。
また、それまで情報を活用していなかった部署も情報を連携することで、売上向上につながる新たな施策を発見することができるかもしれません。
工数の削減による業務の効率化
前述した他部署との連携においても、情報の共有にかかっていた時間が減ることにより工数の削減となります。
さらに、メール配信機能やレポート機能、文書作成の機能も搭載されているソフトでは、他のシステムの導入が不要となり一括で行えるようになるので、業務の効率化に繋がります。
顧客満足度の向上が見込める
詳細な顧客情報をシステムで管理することで、顧客に対してより商談に繋がりやすいアプローチを行うことが可能になります。
リピーターへのクーポン配布やプレゼント企画などのメルマガ配信、担当者不在時でもスムーズな情報共有による丁寧な電話応対といった手厚いカスタマーサービスの提供を実現できます。
顧客管理ソフトを導入するデメリット
継続的なコストがかかる
顧客管理ソフトの導入には、初期費用だけでなく継続的なコストがかかる場合が多いです。
また機能によってはオプション費用も必要となってしまうため、多くの機能を付けると高額になってしまうケースがあります。
会社の規模や業種、必要な機能など改めて整理してから、自社にあったソフトやプラン選択を行いましょう。
短期的な成果の獲得は難しい
顧客管理ソフトは導入しても短期的な売上向上につながることはほとんどありません。
ソフトを導入したばかりの頃は、慣れないソフトに時間を取られてしまい、むしろ工数がかかってしまうという状況もあるかもしれません。
ですが、長期的なソフトの活用により営業フローがスムーズになり、コスト削減につながるため、導入の際はある程度成果が出るまで時間がかかることを社内に周知しておきましょう。
顧客管理ソフトの選び方のポイント
クラウド型かオンプレミス型か
顧客管理ソフトにはクラウド型とオンプレミス型があり、どちらにもメリット・デメリットがあるためしっかりと比較検討しましょう。
クラウド型は、インターネット上にシステムが構築されているためアクセスするだけで簡単に利用することができます。費用もオンプレミス型と比べて比較的低めで、運営会社が随時システムを更新するため最新の機能を使用することができます。
オンプレミス型は社内のサーバーにシステム構築を行うため、自由にカスタマイズしたり、既存のソフトとの連携がスムーズになります。初期費用が高額になりますが継続的なコストが発生せず、また社内で情報管理を行うため高いセキュリティ性を維持することができます。
自社に適した機能が搭載されているか
ソフトの導入を検討している方は、何らかの課題解決のために検討している場合がほとんどだと思います。
そのため、自社の課題に対して必要な機能が搭載されているソフトなのか確認する必要があります。
それだけでなく、不必要な機能が多すぎたり、項目や機能設定が業種に合わなかったりすると、ソフトが定着しづらくなってしまいます。必要な機能が扱いやすい設計になっており、自社の業務環境に適しているものを選定しましょう。
だれでも簡単に操作が可能か
初めてソフトを導入する場合、前述した通り成果が出るまでに手間やコストがかかります。
そのため、ソフトを使用する社員にとって操作が扱いづらいとより工数が取られることになり、成果にも中々繋がらなくなってしまいます。
初心者向けのUI設計がされていたり、操作についてサポート体制が整っていたりするソフトもあるので、まずは無料トライアルなどで実際の画面を試してみると良いでしょう。
高いセキュリティ対策がされているか
顧客情報の管理を一つのソフトに集約する分、ソフトのセキュリティ対策は万全なものにしなければなりません。
そのため、社内で情報共有を行う際には権限の付与による閲覧制限を行い、共有する範囲を設定すると良いです。
また、不正アクセス対策やバックアップ機能などがきちんと搭載されているソフトか、確認しましょう。
既存のソフトと連携できるか
営業支援ソフト(SFA)を導入している場合、顧客管理ソフトと密接に関わっているため連携が推奨されています。
まだ導入していない場合は、顧客管理ソフトに営業支援ソフトが含まれているソフトもあるので、そちらの導入も検討してみると良いでしょう。
他にも、名刺管理ソフトやメール配信ソフトなど既存のソフトがある場合は連携することで業務の効率化が見込めますので、連携が行えるか確認しましょう。
おすすめの顧客管理ソフト8選
Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloud(セールスクラウド)は、Salesforceが提供するクラウドベースの営業支援(SFA)&顧客管理ソフトです。
顧客管理、案件管理、見込み客管理、売上予測、レポートとダッシュボードなど、新規顧客を発掘し、見込み客を育成し、案件の早期受注を図るためのさまざまな機能が用意されています。
AI(人工知能)が組み込まれているため、営業部門や営業マネージャーは、購入確率の高い顧客・案件・正確な売上予測などを簡単に把握でき、無駄な営業活動が削減できるようになります。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 3,000円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
30日間 | クラウド型 |
- 豊富な機能が搭載されている大企業向けソフト
- データを集約してAI(人工知能)による売上予測で効率化
- 見込み顧客・新規顧客・既存顧客とあらゆる顧客へのアプローチができる
Synergy!
Synergy!(シナジー)は、メール配信やWebアンケートの作成機能、広告運用などマーケティング機能を併せ持つ顧客管理ソフトです。
店頭、Web、メール、アプリ、SNSなど、さまざまな接点を持つ顧客の情報を、Synergy!のデータベースに集約し、一元管理ができます。特にLINEへの配信機能は導入している方の中で最も人気の高い機能です。
また、作成できるフォームの数に制限がなく、用途に合わせて必要な時に必要なだけフォームを作成することができます。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
118,000円 | 15,000円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
14日間 | クラウド型 |
- マーケティング機能で顧客情報の収集から活用までできる
- 詳細なターゲティングによる広告運用で投資対効果の最大化
- 狙いを絞って自由自在にメール配信
Hub spot CRM
Hub spot CRMは基本無料で使用できる、幅広い業務に最適な顧客管理ソフトです。
最大100万件のコンタクトを登録でき、ユーザー数とストレージ量は無制限かつ利用期限もなく使用できます。
高度なメール機能が搭載されており、潜在顧客がEメールを開封した瞬間やウェブサイトにアクセスした瞬間に通知を受け取る機能を使用すれば、適切なタイミングで有望な潜在顧客にアプローチすることができます。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 基本無料 有料プラン5,400円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
– | クラウド型 |
- 利用期限なし基本無料で導入できる
- 高度なメール機能が搭載
- 外部ツールの連携や充実したサポート体制も無料
Kintone
Kintoneは、サイボウズ株式会社が提供している顧客管理ソフトです。
基本的な月額料金がリーズナブルで、必要な機能だけをオプションとして付け加えることができるため、自分の扱いやすいように自由にカスタマイズができます。
そのため個人事業主から大企業まで様々な企業に導入されやすく、また業種も医療や不動産、学習塾など幅広く利用されているため20,000社以上の導入実績のある信頼性の高いソフトとなっています。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 780円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
30日間 | クラウド型 |
- 自由にカスタマイズできるから自社に最適なソフト構築ができる
- リーズナブルな価格設定で導入しやすい
- 導入実績が豊富なので安心して利用できる
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは定着率99%の純国産の営業支援(SFA)&顧客管理ソフトです。
シンプルな管理画面で「設定」「入力」「分析」が直感的にできるため、高い定着率となっています。
連携できる外部サービスが豊富で、Gmailやスラックなどのコミュニケーションツールと連携することで、入力や報告を自動化できます。さらに、帳票作成機能や基幹システムと連携することで、営業活動の効率化を実現できます。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 1,480円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
15日間 | クラウド型 |
- シンプルな管理画面なので圧倒的な定着率
- 項目設定やデータ移行が簡単で平均1ヶ月で運用開始
- 営業支援に特化した顧客管理ソフト
Zoho CRM
Zoho CRMは、世界で250,000社以上で利用されている、見込み客/既存顧客などの連絡先情報から商談や受注などの活動管理まで営業活動を支える顧客管理ソフトです。
幅広い業務をカバーする様々な機能が搭載されており、電話やメールはもちろん、チャットやソーシャルなどあらゆるチャンネルでのやりとりを一元集約できます。
またマーケティングオートメーション機能やAIによるルーチンワークの自動化なども行えるため効率的に営業の商談化率を向上させます。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 2,160円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
15日間 | クラウド型 |
- 世界で250,000社以上で利用されている実績
- 300以上のさまざまな業務アプリともシームレスに連携
- 世界水準の高度なセキュリティ性
eセールスマネージャー Remix Cloud
eセールスマネージャーは、ソフトブレーン株式会社が提供する国産の営業支援(SFA)&顧客管理ソフトです。
名刺情報の管理だけでなく、人脈管理機能で顧客の意欲や最後に会った日などを登録することにより、自社の提供する製品やサービスを受注するまでに押さえないといけない関係者との関係構築を効果的に行うことができます。
また、担当アドバイザーや集団型研修、サポートデスクなどにより導入~稼働~定着までそれぞれのステップでの徹底したサポート体制が整っています。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
– | 3,000円~ |
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無料トライアル | 提供形態 |
無料デモ体験あり(要問合せ) | クラウド/マネージド/オンプレミス |
- 4つのサポート体制により初心者が導入しやすい
- 状況に合わせた様々なプラン・提供形態が展開
- 顧客管理や営業支援だけでなく名刺・人脈管理や社内SNSとしても利用可能
Customer Rings
Customer Rings(カスタマーリングス)は、データの連携、分析、顧客へのアプローチを効率化し、売上最大化に貢献するための機能が豊富なマーケティングオートメーション(MA)&顧客管理ソフトです。
ECサイトなどのBtoCに特化しており、顧客の行動やアンケートから時系列推移分析、LTV分析、ABC分析、アソシエーション分析など、様々な分析を簡単に行うことができます。
また、メールやLINE、SMSなどの配信チャンネルを一元管理ができるので、顧客情報に合わせた最適なアプローチを行うことができます。
初期費用 | 月額料金(税抜) |
要問合せ | 要問合せ |
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無料トライアル | 提供形態 |
要問合せ | クラウド型 |
- BtoC/DtoCに特化した顧客管理と豊富な分析機能
- 顧客視点でマーケティング改善のアイディアを発見できる
- 顧客の興味や状況に合わせたメッセージ配信
まとめ
本記事では、顧客管理ソフトについてメリット・デメリットや選び方のポイントを踏まえた上で、厳選した顧客管理ソフトをご紹介いたしました。
顧客のデータベースとしての利用だけでなく、営業支援ソフトやマーケティング機能、名刺管理ソフトなど様々なシステムが含まれていたり、他サービスと連携できたりと顧客管理ソフトは幅広い業務をカバーするソフトです。
豊富な機能がある分、複雑な操作が必要になってくる場合もありますので、顧客情報をどのように活用していきたいのか改めて整理してからソフトを選ぶと良いでしょう。
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